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『まあ、そんなに落ち込みなさんな!私が成仏させてやるから!』
優菜は胸を張って、笑って見せた。
《またそんな安請け合いをしてぇ~。》
『だったらどうしろって!?10年も待っていたこの子の気持ちにもなってよっ!!』
ジョージは驚いた。
あのワガママお嬢が、人の気持ちを考えられるようになるとは思ってもみなかったからだ。
《わかりました。仰せのままに。》
深々とお辞儀をするジョージ。
『ジョージ、ほんとの執事みたい♪』
《からかわないで下さいましぃ~!》
『ごめん、ごめん☆
ところで、アナタの名前聞いてなかったわ!』
「あっ、私!」
突然振られて慌てる少女。
「名前は、エレナ。
綾小路 エレナです。」
《綾小路財閥のお嬢様で御座いましたかぁ!》
『財閥のお嬢様!?』
「はい。」
綾小路財閥。
その昔、貿易で力を付け、様々なジャンルの商売を展開し、高額納税者一位の座に落ち着いていた。
拓哉と優美のスポンサーとなり、土地の一部を提供していたが、ある奇怪な事故により亡き者となった後、その全てを受け継ぐ形となった。
現在、拓哉達が拠点としている基地周辺も、元は綾小路の物であった事は言うまでもない。
『うちがお金持ちなのは、綾小路家の御陰様って事だったのね!』
《そうですねぇ~。綾小路様々ですぅ!》
ん?
『私…、何でエレナの声聞こえるの?姿見えるの?』
今更ながら驚く優菜。
《お嬢様の力が安定されてきた!と、言うことではないでしょうか!》
『ついに私もレベルアップしたか!!ヨッシャ!!』
ガッツポーズ。
……。
……。
『何よっ!二人とも。』
《あまり調子に乗らないで下さいましぃ!》
チッ!
《舌打ちしないぃ!》
クスッ!
『あっ!エレナ笑った。その方が良いよ☆』
《貴方とゆうお人は…》時々ふざけているのかどうかわからない時がある。
でも、人の気持ちを和ます力をお持ちの様だ。
『よし!取りあえず飯だ飯!』
《お嬢様が『飯』なんてハシタナイ!いけませんよぉ!》
『はいはい。良いから早くぅ♪』
食事を早々に済ませ、まずは過去の事件を洗い出す事となった。
『こんな古い新聞よくあったわね。』
《資料ですからぁ♪》
新聞記事には事故の様子が記されてあった。
当時、貿易の為、家族揃って自家旅客機に乗り、海上を滑空中の事故だったようだ。
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