何か出た!?

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部屋をノックする音。 朝食が運ばれたらしい。 私が意地悪するから、お手伝いの人は、ドアの前に食事を置いて合図すると居なくなる。 『ふんっ!どいつもコイツも馬鹿ばっかっ!』 ホントの馬鹿は、私である事は、重々承知。 朝ご飯なんて要らない。太るもん! いつもの携帯サイトでも覗いてみよ。 あれ? 知らない人からメッセージ…。 ― アナタの執事にしてください♪ ― 何だこりゃ…。 適当に返事しとくかっ! ― オッケー! ― 送信っと! ピピッ ピピッ! もう返事!? 新着をクリック。 その途端、携帯画面からモクモクと煙の様なものが湧き出てきた。 『うわっ!』 なっ、何か出た!? 煙はフワフワと形を整えていき、人の形に。 《どうもぉ~♪私メは今日からあなた様の執事になりました、シュバルツ=プレッツェ=ジョウダム二世と申します!以後よろしくぅ~♪》 なななっ! 『何なんだぁっ!?あんた携帯から出てきたでしょ!何物!?てか、おかしいでしょ!!どうゆう仕掛けよっ!?おかしいんじゃないのっ!?大体そんな長い名前覚えらんないし!!』 キョトンッ。 《あのぉ~。突然失礼しましたぁ。呼び名はジョージで結構でございますよ。》 おっと、そこかいっ! 『問題は、呼び名じゃないだろっ!!』 キョトンッ。 《でもでもぉ~、私メは、お嬢様の執事に任命されてココへ来たんであります。何卒、よろしくお願い致します。(泣)》 ジョージは、必要な時以外は携帯の中に居るからと、また煙になって吸い込まれて行った。 呆気にとられた私は、何気に携帯の画面に目をやる。 待ち受け画面………! そこには、ジョージの顔が!? 『うっそぉーーっ!?』 ― うっそぉーじゃあ御座いません。これからよろしくぅ~♪ ― 何か返事してくるしっ! こうして、ワガママお嬢の優菜に、携帯執事ができました。 ジョージは事あるごとに優菜に注意を促してきますが、携帯の画面上にメールとしての関わりでしかなかった。 『何が執事よっ!メールだけで、何も役に立たないじゃん!』 ― 文句ばかり言ってると、良くないモノが寄ってきますよぉ~!気を付けてくださいましぃ~♪ ― 良くないモノって何なんだよっ! わけわかんねっ! 風呂入って寝るぞ! 優菜は不貞寝した。
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