2人が本棚に入れています
本棚に追加
部屋をノックする音。
朝食が運ばれたらしい。
私が意地悪するから、お手伝いの人は、ドアの前に食事を置いて合図すると居なくなる。
『ふんっ!どいつもコイツも馬鹿ばっかっ!』
ホントの馬鹿は、私である事は、重々承知。
朝ご飯なんて要らない。太るもん!
いつもの携帯サイトでも覗いてみよ。
あれ?
知らない人からメッセージ…。
― アナタの執事にしてください♪ ―
何だこりゃ…。
適当に返事しとくかっ!
― オッケー! ―
送信っと!
ピピッ ピピッ!
もう返事!?
新着をクリック。
その途端、携帯画面からモクモクと煙の様なものが湧き出てきた。
『うわっ!』
なっ、何か出た!?
煙はフワフワと形を整えていき、人の形に。
《どうもぉ~♪私メは今日からあなた様の執事になりました、シュバルツ=プレッツェ=ジョウダム二世と申します!以後よろしくぅ~♪》
なななっ!
『何なんだぁっ!?あんた携帯から出てきたでしょ!何物!?てか、おかしいでしょ!!どうゆう仕掛けよっ!?おかしいんじゃないのっ!?大体そんな長い名前覚えらんないし!!』
キョトンッ。
《あのぉ~。突然失礼しましたぁ。呼び名はジョージで結構でございますよ。》
おっと、そこかいっ!
『問題は、呼び名じゃないだろっ!!』
キョトンッ。
《でもでもぉ~、私メは、お嬢様の執事に任命されてココへ来たんであります。何卒、よろしくお願い致します。(泣)》
ジョージは、必要な時以外は携帯の中に居るからと、また煙になって吸い込まれて行った。
呆気にとられた私は、何気に携帯の画面に目をやる。
待ち受け画面………!
そこには、ジョージの顔が!?
『うっそぉーーっ!?』
― うっそぉーじゃあ御座いません。これからよろしくぅ~♪ ―
何か返事してくるしっ!
こうして、ワガママお嬢の優菜に、携帯執事ができました。
ジョージは事あるごとに優菜に注意を促してきますが、携帯の画面上にメールとしての関わりでしかなかった。
『何が執事よっ!メールだけで、何も役に立たないじゃん!』
― 文句ばかり言ってると、良くないモノが寄ってきますよぉ~!気を付けてくださいましぃ~♪ ―
良くないモノって何なんだよっ!
わけわかんねっ!
風呂入って寝るぞ!
優菜は不貞寝した。
最初のコメントを投稿しよう!