2人が本棚に入れています
本棚に追加
ピピッピピッ!
携帯の着信音で目を覚ます。
目をこすりながら携帯を開き、画面を見る。
モクモクモクッ!
ジョージが出た!
『何か用?まだ眠いんだけど!』
ニヤリと笑うジョージ。
《お嬢様ぁ~♪お勉強の時間で御座いまぁ~す!》
ゲッ!
『あんたそんな世話までしちゃうわけ!?マジウザイんですけど!』
ジョージは眉をピクピクさせている。
『大体あんたなんかに私の勉強教えられるわけ!?これでも名門お嬢様校なんだからねっ!』
勝ち誇ったかのような私に、冷静な態度のジョージ。
《だれが学校の勉強と言いましたか?私が教えるのは、お嬢様の身を守る為の勉強に御座いますよ。》
えっ!?
『何ですと!?』
キョトンッとする私…。
少し厳しい顔のジョージ。
《実は…、私メがお嬢様の所に参りましたのは、時が満ちたからに御座います。》
『時が…満ちた?益々わからん。どゆこと!?』
《今日は何の日ですか?コレがヒントで御座いまぁ~す♪》
うっ、テンション戻ったなっ!
今日…。
何の日!?
国民の休日!?
違うかっ!
何何何ぃー!?
《まだお分かりでないようですねぇ…。寂しいお方だ。》
『だったら何よっ!私はほったらかしのお嬢様なのっ!!』
ふんっだ!《仕方ないお方だ。》
と、ジョージは溜め息を吐いたが、にっこりと微笑んだ。
《今日はあなた様の17歳の誕生日に御座います♪》
あ!?
スッカリ忘れてた。
誰も祝ってくれないから…。
私、今日で17なんだ!
『でも!それとこれと、何の関係があるの?』
今度は何故か得意気なジョージ。
何かムカつく。
《では、お話致しましょう♪》
エッヘン!と偉そうに咳払いして話始めるジョージ。
《お嬢様は、旦那様や奥様がどんな仕事をしていらっしゃるか御存知ないでしょう。》
?
『何か関係あるの?』
《大有りです!》
『何何!?あの人達何してるの!?』
興味深々の私!!
そうなんです!
親の仕事なんて知らないってばよ!
産まれてこのかた知ろうともしなかった。
知らなくて当たり前だと思ってたから。
《あらあら、そんなに知りたいので御座いますかぁ~♪》
もぉ!勿体ぶる!!
睨み付ける私。
《わっ、わかりましたぁ!お話致しますぅ!》
慌てながらも小さなメモ帳を高貴なスーツのポケットから取り出し、指につばをつけながら捲り話し出した。
最初のコメントを投稿しよう!