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笑ってごまかしやがってっ!!
私は、お母さんってものを知らない。
お父さんってものを知らない。
でも、居るなら会いたい!
声だけでも聞きたかった。
ジョージの意地悪っ!
《大丈夫で御座いますよぉ♪》
『何が!!』
《ちゃんとお会いして頂きますぅ♪》
『えっ!?いついつ!?お母さんってどんな人?美人?お父さんってカッコイい?』
コホンッ!
《そんなに一度に聞かれましてもぉ~。》
エヘヘッ。
『だって、早く会いたいんだもン♪』
《それは、お嬢様が成長されて力のコントロールが出来るように成られての事ですぅ。》
うん♪
『私、頑張りまっす!』
ジョージはニッコリ微笑むと、優菜の手を取り、なにかを握らせた。
『コレは?』
開いた手の中には、先程優菜が吐き出した真珠をネックレスにしたものがあった。
《これは、奥様の涙で御座いますぅ。ほんの2ヶ月のお嬢様の身を案じて流された涙に念を込め、お嬢様の力を封じ込めたのですぅ。こうしておけば身に付けられましょう。》
そう言ってジョージは優菜の後ろへ回り込み、首にネックレスをかけた。
《この真珠がお嬢様の身をお守り下さることでしょう。》
優菜は真珠をキュッと握りしめ、ジョージを振り返った。
『ありがとう。私、頑張るよ!』
そして修行は本番を迎えた。
知らせを受けた母、優美は直ぐさま館にメールにて命令文を送った。
― 館内の全ての従者は危険回避の為 一時的に 解雇。連絡は追ってするので自宅にて待機されたし。 ―
館のお手伝いさんや、コック、その他諸々の全てがバタバタと自宅へと帰って行った。
広い館内には、優菜とジョージの二人だけ。
《では、思う存分やって下さいまし!》
『よぉーし、いくわよ!』
優菜の力は膨大で、しばしば館の壁や天井、床に家具など破壊してしまう程。しかし、その度ジョージが元通りにしてしまう為、外部に気付かれる事も無く修行は続いた。
優菜は、両親に会いたい一心で精力的に励んだ。
『こんなんじゃ駄目だ!もう一度!!』
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