拓哉と優美

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《本日、11名を確認致しました。サーモセンサーによれば、体が冷え切っています故、体力の低下が心配されます。》 『わかったわ!毛布や暖を取れる服を贈っておいて。温かいスープも忘れずに♪』 《了解に御座います♪》 すぐさま街へ、救援ヘリが飛び立った。 街の人達は、ヘリの音に気付くと、ごそごそと物影に隠れてしまう。 が、ヘリが跳び去ると、またごそごそと現れて救援物資を持ち去って行った。 《確認しました!全て完売♪ もっと嬉しそうにすればおよろしいものを…。》 『仕方ないわ…。自分達の街があんな状態ではねっ。』 優美は遠くを見る様に悲しい目をした。 《あ、あ!!そう言えば、優菜お嬢様の方は、どんなもんで御座いましょうかねぇ!ジョージに連絡おばとってみたしょうか?》 気を遣うジョーに、キリッとした顔で答える優美。 『それには及ばないわ!修行の邪魔はしたくないの!連絡が無いのは元気な証拠。ねっ☆』 そこへ、呑気な顔で拓哉が現れた。 「優美ぃ~!早くご飯食べよう♪ 今日のメニューは?」 《はい!本日の御食事は、カジキマグロのバターソテー、クラムチャウダー、フルーツサラダに御座います♪》 「おいおい!優美の大好物じゃん!?早く食べよう♪」 気を取り直すかの様に深く息を吐いた優美。 『そうね!お食事にしましょ♪後で入るから、お風呂の準備よろしく☆』 《かしこまりました♪》 一見すると脳天気に見える拓哉だったが、その実、優美の事を一番心配しているのだった。 何故なら、前にも優美が元気が無かった時、戦闘中ボーっとしていた為、大怪我を負った事があるからだ。 「もう、あんな目には合いたく無いからね!」 小さな声でジョーに呟いてからウィンクした拓也は、優美の背中に手を添え、食堂まで押して行った。 その様子をニッコリと見送った後、ジョーは着替えを準備し、そそくさとコンピューターに向かった。 カタカタカタカタカタカタッ! 画面に映し出されたのは、優美のカルテだ。 優美の体を気遣うのは、執事のジョーとて同じ事です。 拓哉には知らされていない何かが、ココには載っているようです。 《大丈夫ですよ優美様。私、この事だけは誰にも教えたり致しません!》 一人呟くジョーであった。
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