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「なんか……一気に冷えて
来ましたね……」
賢介は吐く息の白さに驚きながら辺りを見回す。
うっすらと、水が凍り初めて
いるのが見える。
『あなたに……これをお渡し
します。』
スフィシアはそういうと付けて
いた首飾りをはずして賢介に
渡した。
青い色合いの綺麗なその石は
賢介の手の中にすっぽり収まる
卵形をしていた。
「これは……もしかして」
『はい、アクアマリンの聖晶石
です。』
「い、いいんですかっ!?」
賢介が思わず大きな声を出して
叫ぶと、スフィシアはにっこり
と微笑んだ。
『はい……きっと貴方なら、
大丈夫だと思うんです』
「ありがとう……ございます」
賢介はぎゅっとアクアマリンを
握りしめ、持っていた錫丈に
付けた。
なんだかくすぐったいような
嬉しい気持ちだ。
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