*15* 消える者

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「なんか……一気に冷えて 来ましたね……」 賢介は吐く息の白さに驚きながら辺りを見回す。 うっすらと、水が凍り初めて いるのが見える。 『あなたに……これをお渡し します。』 スフィシアはそういうと付けて いた首飾りをはずして賢介に 渡した。 青い色合いの綺麗なその石は 賢介の手の中にすっぽり収まる 卵形をしていた。 「これは……もしかして」 『はい、アクアマリンの聖晶石 です。』 「い、いいんですかっ!?」 賢介が思わず大きな声を出して 叫ぶと、スフィシアはにっこり と微笑んだ。 『はい……きっと貴方なら、 大丈夫だと思うんです』 「ありがとう……ございます」 賢介はぎゅっとアクアマリンを 握りしめ、持っていた錫丈に 付けた。 なんだかくすぐったいような 嬉しい気持ちだ。  
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