*16* 契約

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しばらく歩くと、開けた空間に 出た。 大きな湖と滝があり、その周り をクリスタルのようなものが 囲んでいる。 幻想的な空間。 「す、すご……」 裕明はただただ驚いていた。 「何かないのかな?」 雫が滝のあるところに近付くと 突然、滝の真ん中あたりが 淡く輝きだした。 「な、なんだ?」 その光はふわりと雫と裕明の所 まで降りてくる。 裕明は恐る恐るその光に触れて みた。 パンッ 光に触れた瞬間、その光は 四方八方に飛び散ったかと思う と何かが裕明たちの目の前に 現れた。 『ようやく来ましたね、 待ちくたびれましたよ』 まるでクリオネの青バージョン みたいな姿をして、背中に 小さな羽が付いているソレは 宙に浮きながら喋った。 『私はアクアマリンです』 「無事だったんだね」 雫は嬉しそうに言う。 アクアマリンは少しだけ頭を下げた。 『あなた方のお陰のようですね 礼を言います』 実際賢介達が全て解決して くれたようなものだが…… 『そこで、貴方にお願いが あるのです』 「へ?俺!?」 いきなり自分を指名されて 素っ頓狂な声を上げる。 アクアマリンはその亀のような 手を降りながら言う。 『はい、貴方…… 陰陽師ですよね?』  
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