34人が本棚に入れています
本棚に追加
ナギーは不思議な気持ちで雫を見た。
『(まさかとは思ったのらけど
……本当に?)』
"彼女"と
再び会うことになるなんて
そもそも、確かに彼女に記憶はない筈なのだ
なのに、何故……
過 去 と 同 じ 名 前 を ?
「おい、ナギー契約するぞ!」
裕明の声によってナギーの
物思いは中断された。
『わ、わかったのら!
ら~の後に続いて唱えるのらよ?』
「あぁ……わかった」
ナギーは契約の唄を歌う。
『――……契約者の名の下に
命ずる
来たれ青き精霊よ、血の契約
に従い我が元へ……』
裕明とアクアマリンの周りに
五行の陣が浮かび上がる。
アクアマリンは消え入るように
草薙剣の中に吸い込まれて
いった。
『アクアマリン……』
キラリと草薙剣についている
クリスタルのようなものが
光る。
中にアクアマリンが居るのだと
裕明は確信した。
「お疲れひろくん!
かっこよかったよw」
雫は裕明の元に来ると、
にっこり笑って言った。
「マジで?マジで?」
『ま、ら~のお陰だけどらね~』
再び裕明とナギーの言い合いが
始まる。
雫は謎のお札を裕明に貼付けて
ずるずると裕明を引きずる。
「……さ、早く行かなきゃ
けんちゃん達、待ってるんだから」
「ふぁい」
やっぱり雫には逆らえない……
そんな裕明であった。
最初のコメントを投稿しよう!