*16* 契約

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「ひろくーん!出発するよ?」 「えぇ……出発って、 もうこんな暗いのに!?」 裕明は当然と思われる理由を 述べる。 悪霊のこともあるが、 夜に出歩くのは流石にちょっと 怖いものがある。 「何言ってるのひろくん、 セイシティは水と星々の街だよ 今行かないでどうするの!」 裕明は賢介に目配せする。 「(どうする、けんちゃん)」 「(と、いうか、 どうにかなるものだと思います か?)」 「無理だな」 何故か後ろでチョコを抱いて いるヴァンネルが答えた。 まぁ……その通りなのですが 「行きましょう、皆さん 私の街へ」 沙那もにっこりと微笑むと、 雫の元まで駆けてゆく。 裕明と賢介は二人同時に苦笑い を零した。  
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