34人が本棚に入れています
本棚に追加
ヴァンネルはその腕にチョコを
抱いたまま裕明の元まで歩いて
くると、手渡しでチョコを
裕明に返した。
「……あのさ、ヴァン」
裕明は顔をあげてしっかりと
ヴァンネルの瞳を見据える。
「また……会おうな」
「…………」
ヴァンネルは裕明に背を向けて
ゆっくりと歩いていく。
その背中に哀しみを背負い
ながら……
聞けなかった応え。
でも、
「(笑った……よな?)」
確かに見えた
はにかんだような笑顔。
だから
また、会えるような気がした。
最初のコメントを投稿しよう!