*16* 契約

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ヴァンネルはその腕にチョコを 抱いたまま裕明の元まで歩いて くると、手渡しでチョコを 裕明に返した。 「……あのさ、ヴァン」 裕明は顔をあげてしっかりと ヴァンネルの瞳を見据える。 「また……会おうな」 「…………」 ヴァンネルは裕明に背を向けて ゆっくりと歩いていく。 その背中に哀しみを背負い ながら…… 聞けなかった応え。 でも、 「(笑った……よな?)」 確かに見えた はにかんだような笑顔。 だから また、会えるような気がした。  
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