*17* 星の原

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「そういえば、スフィシアさん は……どうしたんでしょう?」 ヴァンネルと別れた後、 裕明達は暗い道を僅かな聖晶石 の灯を照らしながら歩く。 「スフィシア?」 「あ、裕明さん達は会ってない んでしたね……」 首を傾げる裕明に、賢介は簡単 に説明する。 「スフィシアさんは、アクアマリンの守護者(ガーディアン)なんです」 洞窟の外で聞いた声の主。 それを聞いて、雫はしばらく 何かを考えていたが、くるりと 裕明に向き直った。 「……ひろくん、アクアマリン を召還してみてよ」 「え……あ、うん?」 いきなり自分に話が振られて 裕明は戸惑いながらもナギーを スッと鞘から引き抜くと、 念じた。 水色に輝く小さな光が、剣の 周りをくるくると回りながら やがて一つの大きな光の塊に なり、アクアマリンの姿をつくり上げていく。 『私に……何か用ですか?』 「アクアマリンさん、スフィが あの後どうなったか……知って ますか?」 質問は賢介がした。 すると、アクアマリンは少し 表情を曇らせた。 『スフィは……彼女は…… 闇へ還りました』 「え……?」  
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