gray building

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背の高いgray コンクリートの飴   光も水も必要ない   graybillは 光合成がわからない。 毎日小さな菌が体へ入っては どんどん肺を汚してゆく   体毛はない あるのは 体に空いた無数の穴   いつも 笑いもせず 怒りもしない。 ただそこに 立ち尽くす   いつも オレンジを夢見ては 恋焦がれる。 手が届かないし 目を見つめることすらできない。   ほんとは 空に向かって思いっきり背伸びして   よこになって ゆっくり 眠りたい。   石のような重い体 オレンジ色がにじむ頃 すっかり陰になっちゃって   オレンジが沈んでゆけば graybillは すっかり闇にまじってしまうんだ。   土へ還りたい。image=49961172.jpg
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