出会い

2/22
303人が本棚に入れています
本棚に追加
/420ページ
人は時に凄く困ることがある。 今がまさにその時だ。 俺こと水野 恭弥(みずの きょうや)は七年前に来たことがある、この町にやって来た。 来たことがある、と言っても二、三日だけで、俺の記憶には町の景色など覚えてはいなかった。 この町に来たのには理由があった。そもそも、行きたいと思ったことはなかった。 家の事情という奴だ。 俺の親が死んでしまったからだ。 そして俺は、父の弟に「こっちへ来ないか?」と言われた時に「行きます」と言ってしまったからだ。
/420ページ

最初のコメントを投稿しよう!