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季節は春。
桜がみすぼらしくなってきた頃。
海に行こうなんて言い出したのは何処の馬鹿だ。
この季節に泳げるとでも思ったか。
馬鹿め。
「ビミョーに寒いよね。」
「あー。思ったよりは。」
風に流れるタバコの煙。
やる気のない会話。
砂に埋もれる手。
「誰だよ言いだしっぺ。」
「ミヤ。」
あーね。あの馬鹿ね。
向こうでタケジとはしゃいでるアホね。
まあどっちが言ってもおかしくないけど。
どっちも頭おかしいし。
眺めていたら目が合った。
アホが一人こっちに走ってくる。
こういうときは嫌な予感しかしない。
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