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こちらにやましい事が無い以上原田としては、誤解を解く必要がある。
だか明らかに原田のテリトリーに呼び出しをかけて来た、アルクの人間は馬鹿なのか、何かしら不思議な気がしてならなかった。
喫茶店に入ると待って居ると言われても顔も知らなければ、名前も忘れている。
さして広く無い店内、常連の原田が知らない顔は、ほぼ満員の店内で数える程しか居ない。
知らない顔は3人だけ、先程電話の口調から想像すると年齢は同年代位で……ヤクザぽい人。
一人も見当たらない、困った原田は意を決して。
「アルクの方居ますか?」
普段通りの窓口での調子で声を上げた。
突然の事で店内の全員の注目を浴び原田は耳まで赤くなる。
すぐ横入り口から入って右側の席の男が軽く手を上げた。
原田の想像とは真逆の、上品な仕立てのスーツを着こなし、縁無しの眼鏡をかけた男が軽く手をあげた。
仕方なく男の前の席に腰掛けた原田を、目の前の男は不思議そうに見ていた。
ある意味原田よりもその男、岸の方が戸惑いを隠せない様子だつた。
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