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「その女である私が男子校って可笑しくない?と言うより駄目なんじゃ…」
神子は一瞬そんなことを気にしていたのかというようなキョトンとした表情で薫を見つめフフフと笑った。
「だ・か・ら、じゃーん!!薫には男装して通ってもらいまーす!バレないように気をつけてねー」
神子はそう言って取り出したものは胸元に『光輝学園』の校章が刺繍されている学ランだった。
「なにこのベタな展開…」
薫は大きな溜め息を吐いて頭を抱え込んだ。神子はそんな薫をお構い無しにただ浮かれていた。
「もちろん全寮制なので寮に住んでもらいます」
「寮に!?」
薫は一瞬神子を疑った。年頃で思春期の妹を盛りがついた男子たちのと一緒に住まわすなんて狼の群れに羊を放り込むようなものだ。
「いくらなんでもそれはさすがに無理じゃ…」
「だ・か・らっ!!男装してもらうの!いいじゃない生のBL見れるわよ」
神子はそう言って瞳をキラキラさせうっとりとしながら長々とBLについて語り出した。そう神子は根っからの腐女子である。この人には何を言っても通用しない。薫の心の中に諦めという言葉が生まれた。
「あと2人部屋だからバレないようにね」
ダンッ
「はぁ!?ちょ待てやふざけとんかいな!」
薫はテーブルを殴りつけ神子を怒鳴った。
「ちょ…薫落ち着い「これが落ち着いていられるかいやっ!!落ち着いとる方がおかしいわボケェッ!」」
今の薫にはもはや温厚な時の面影はなくまるで般若のような形相だった。薫の怒りはまだ続く。
「だいたいなぁ年頃で思春期の妹を男子校に入れようとすること自体間違えとるやろ!?それだけならまだしも男子寮で2人部屋に入れるとかどうゆう神経しとんねん!襲って下さい言っとるようなもんやわ!」
早口で怒鳴った薫は息切れをしていた。神子はただ黙って下を向いている。
「…うわぁん薫が苛めるぅ」
下を向いていた神子が急にテーブルに顔を伏せて泣き始めた。
「ちょ…」
さすがに薫は困惑した。薫は男ではないが女の涙に弱い。
「お姉ちゃんわぁ…グスッ…薫と一緒に…ヒック…居たかったのぉ…うわぁん」
そう言って神子は約10分弱泣き続けた。薫はもう全て諦めたように溜め息を吐く。
「わかった。私『光輝』行くわ。」
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