9人が本棚に入れています
本棚に追加
「…」
「…」
あの後、お店から出てきたものはいいもの、会話が全く内状況が続いた。
それにしても不思議である。
あの有名人が、何故こんな私を送ろうと思ったのだろうか?
それに―――彼の瞳は誰かに似ているような気がする。
とても知っている人に…
「あのさ」
そう言いながら、彼はかばんから何かを取り出して
「これ、アンタのだろ?」
出してきたのは一冊のノート。
「!!それ!!」
私が捜していたアレだった。
私は彼からそれを受け取った。
「ありがとうございます!!」
「いや、別に…それにしても…」
彼は私を見るなりおかしいそうに笑った。
「男に興味ありませんって顔しているアンタが、恋愛小説を書いているなんてね」
「なっ!!!!読んだんですか!?」
「あぁ!ばっちりな。それ、幼馴染との恋だろ?」
とても嬉しいそうに言った。
そう、アレとは…自分で書いた恋愛小説のこと。
元々物語とかを考えるのが好きで、こうやってノートに書いているのだ。だけど、実はまったく恋などしていないから話が変だと思って誰にも見せていなかったのだ。
勿論領兄にも―――
「…変でしたよね?」「何がだよ?」
「物語…。というよりも恋したことがない奴が恋愛小説を書く方が変ですよね」
私は彼にそう言った。
この場が逃げ出したかった。恥ずかしくて彼の顔が見れなかった。
「全然。むしろ…あんたの話好きだよ。俺」
「えっ…?」
彼は―――今朝のように桜の花を咲かせた。
「俺、そんなに小説は読まないけど、あんたの話は読みやすかったし…主人公の気持ちとが伝わる」
「………ありがとうございます」
私は彼にお礼を言った。
初めだったから。そう言ってくれるのは。
「いいよ。…それより敬語やめてくんない?タメだし…」
「そうだね…。朝倉君だよね?」
「潤って読んでよ。俺、そっちの方がいい。…星」
一気に顔が熱くなることが分かった。
ああ、何故だろう。彼の言い方は誰かに似ている―――
「顔、真っ赤」
「うっさい!!」
また桜の花を咲かせる。
貴方は一体何者だろう?
こんな不思議な感覚を与える貴方は―――
最初のコメントを投稿しよう!