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「あ、ここ」
「ここって…」
話しているうちに家まで着いた。
「ここらへんで有名なカフェだよな?」
「そう。ここ私の家だよ」
「マジ?」
「本当」
潤はまじまじと家を見て言った。
「俺んちと近いじゃん」
「本当!?一緒に大学行けるね」
「あぁ…」
「良かったら、あがっていく?」
「えっ…」
少し戸惑いの顔見せた。
まぁ、いきなり人に家に上がるといわれたね…
「これから晩御飯を作って、兄と食べるんだけど…食べない?」
「いいよ…迷惑だ」
グー
潤からおなかの音が聞こえた。
彼を見ると真っ赤な顔していた。
あぁ、可愛いし面白い。
「ねえ?」
「………遠慮なくいただきます」
そう言って私達は家の中に入って行った。
―――――――――――――
「ただいま~」
「星!帰ってくるなら連絡…!!」
リビングに行くと、心配した顔が領兄がいたが、私たち見るなり顔が固まった。
そりゃそうかな?妹がいきなり知らない男を初めて連れてきたのだから。
「…星。そちらの方は?」
領兄はいつもの笑顔で言った。
「彼は同じ大学の朝倉潤くん。家まで送ってもらったからお礼にご飯でもって思って家に入れたの」
「どうも、朝倉潤です」
潤は深々と頭を下げた。
「こちらこそはじめまして。星の兄の領です。いつも星がお世話になっています」
「いえ、そんなことはないです…」
「そうですか…。星、ご飯は炊いといたから」
「ありがとう。領兄」
私はそう言ってキッチンに、領には潤をリビングのソファーに座らした。
このとき私は知らなかった。
私と彼とそして領兄に見えない絡まった運命と云う糸が結ばれていたことは―――
領兄しか知らなかった―――
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