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『愛に縛りはない。愛することは自由である。』
誰かが言った言葉。僕は、それは嘘だと思う。
だって…愛には縛りがあるのだから。
「星…。」
僕は…今、
「愛してる。」
無防備に寝ている星と言う女性―――妹を愛しているからだ。
でもそれは―――禁忌(タブー)。
何故、貴女は僕の妹になってしまったの?
そっと、星の唇を触る。
薄い桃色の小さめな唇。
何度、この唇にキスをしたいと思ったか?
何年、この思いを隠したか?
いっそ、そんな禁忌なんか壊れてしまえばいい―――
ふと、視界に時計が入ってきた。
【7:11】
ああ、そろそろ星を起こさないと…
僕は君野領の感情を抑え、星の兄になった。
「星、朝だよ。」
また変わらない日々が始まると思った。
彼に会うまでは―――
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