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家を慌て出たもの、まだ時間に余裕があった。
今日は大学二年目の初め日でそれと言って授業はない。
始まる時間は10時で、今の時間は8時2分。
大学は徒歩で15分。
こんなに早く行くのは、理由があった。
それは…あの場所にいくからだ。
―――――――――――――
「着いた♪」
私の目の前にあるのは…人の気がない公園だった。
たまたまつい最近見つけたのだ。
そして、そこには…
「綺麗…」
八分咲きの桜で囲まれている真っ白なベンチがある―――
「…」
どうしよう。
当初の予定では、ここで少しお花見しながらあることをするつもりだったのに…
先客がいるなんて…;
しかも寝てる;;
「あの…」
私は恐る恐る話しかけてみた。
よく見ると男の人だった。
黒髪ではっきりとした顔立ちに長い睫毛。体格よく、すらりとした長身なのに、すぅーすぅーと可愛い寝息。
『可愛いな』
それが第一印象だった。
「…そんなに見つめられたら、寝れないんだけど」
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