1章 出逢い

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家を慌て出たもの、まだ時間に余裕があった。 今日は大学二年目の初め日でそれと言って授業はない。 始まる時間は10時で、今の時間は8時2分。 大学は徒歩で15分。 こんなに早く行くのは、理由があった。 それは…あの場所にいくからだ。 ――――――――――――― 「着いた♪」 私の目の前にあるのは…人の気がない公園だった。 たまたまつい最近見つけたのだ。 そして、そこには… 「綺麗…」 八分咲きの桜で囲まれている真っ白なベンチがある――― 「…」 どうしよう。 当初の予定では、ここで少しお花見しながらあることをするつもりだったのに… 先客がいるなんて…; しかも寝てる;; 「あの…」 私は恐る恐る話しかけてみた。 よく見ると男の人だった。 黒髪ではっきりとした顔立ちに長い睫毛。体格よく、すらりとした長身なのに、すぅーすぅーと可愛い寝息。 『可愛いな』 それが第一印象だった。 「…そんなに見つめられたら、寝れないんだけど」
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