1章 出逢い

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「うわぁ!」 驚いたあまりにバックから荷物が飛び出てしまった。 「ったく、何やってんだよ…」 男の人はそう言うなり、荷物を拾い始めた。 「あっ、すいません;」 「別に。はい、これ。」 荷物が渡された手は私より大きく―――冷たい手。 彼の目を見ると、何かに冷め切ってるけど…とても優しさ感じられた。 「何?」 「…最近、何かあったんですか?」 思わず口にしてしまった。 初対面なのに失礼なことを。 それでも―――彼がほっとおけなかった。 「………あったよ。だから何?別にアンタに関係アンの?」 「…ないです。けど―――」 だって――― 「貴方が泣いているように見えたから」 男は目を見開いた。それが本当なのか。ただ驚いているのかは分からなかった。 それでも私は続けた。 「そんな人をほっておけないですよ」 「………じゃあ、仮に俺がそんな人だとするけど、貴方はどうするつもり?同情して慰めだろ?そんなのいらねぇからな」 「同情なんてしない」 「えっ?」 「私はそんな簡単に同情なんかしないよ。したくもない」 安っぽい同情を送るのら、私は貴方に――― 「残酷でも自分の意思を言うよ」 「…へぇ。変わった奴…」 初めて笑った。 とても優しく、まるで桜の花。 「笑ってるよ?」 「アンタがおかしいから」 「そう?」 「ありがとう」 男はそう言った。 「こちらこそ」 私はそう言って公園を去った。まだ、時間はたくさんあったけど…彼を一人にさせたから――― そしてまた会うとは思わなかった。
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