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「おはよう…」
「おっはよう!星♪」
「おはよう」
大学の講義室に行くと、友達の中野愛と池端百合がいた。
二人は私の高校のときから親友で、よく一緒にいた。
「珍しいね。二人が早くに来るなんて」
「星って本当に何にも知らないよね」
「何が;」
「星、朝倉潤って知ってる?」
「それって愛たちが好きなモデル?」
「そう!!」
愛は身を乗り出しながら語り始めた。
「人気モデルで今20代女性に最も抱かれたい男No.1で俳優としても大活躍なのw」
「その人がどうかしたの?」
「うちの大学に所属で同学年なんだ」
「そーなの?」
「そう!だから今日会えるかもしれないから捜していたのw」
「愛ってミーハーだよね」
「い、いいじゃん!!格好いいんだから!!それより星のお兄さん紹介してよ!」
「はいはい」
愛の言葉を聞き流しながら、荷物を整理していたらあることに気づいた。
アレが…ない!
おかしいな。家に出たときはあったから…きっとあの時!
でも、あの人が拾ってくれたからあるはずなのに…やっぱりない。たぶん、拾い忘れたんだ。どうしよう………
「星?」
百合が心配そうに見つめていた。
「あ、ううん。なんでもない。どうかした?」
「ならいいけど…、今日の合コン大丈夫?」
「早めに帰るかも知れないけど、それでもいい?」
「OK。今日なんか凄い人がくるらしいよ~」
「へぇ~格好いい人いないかな?」
そんなことはどうでもよかった。私はただ、合コンが終わってアレを捜して、領兄のところへ戻りたかった。
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