第3幕『急接近!?』

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チャイムが鳴ったので席に戻る。しばらくして稲生がきた。 いつも通りホームルームが進んでいく。相変わらずやる気のない感じだが、必要事項はしっかり伝える。 「じゃあ終了~。一限目の用意しとけよ~。」 稲生が教室を出ていくと、皆騒ぎながら用意を始める。 弥生も用意をしようと机に手を入れた。 「痛っ!」 手を引っ込めると、手の甲に2cmくらいの切り傷ができていて、血がにじんでいた。 机の中を覗いてみると、天井部分に刃物が仕掛けられている。 一瞬、怒りで爆発しそうになったがなんとか押さえつける。 「ちょっ!長倉さん、手、血が!」 隣の男子が騒ぎだした。 怒りを抑えるため、無意識に手に力を入れてしまったのか、先程より血が出ていた。 「あー、大丈夫。それよりティッシュ無い?」 「ティ、ティッシュ!?えーっと…。」 男子が慌てている間に、手に花柄のハンカチが巻かれる。 綺麗な刺繍が入っていて、肌触りも良い。 蘭が今にも泣きそうな顔をして巻いていた。
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