第4幕『恋する乙女は強し!』

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手当てを受けて教室に戻ると、教室中の注目を集めた。 一限目は現国で、担当は学年主任だ。 「怪我は大丈夫なのか?」 開口一番に言われた。事情は通っているらしい。 「たいしたことありません。」 それだけ言って席に戻る。 先生はまだ何か言い足そうだったが、あえて無視した。 授業が終わると先生に呼ばれる。 「本当に大丈夫なのか?上履きならまだしも、怪我までくると…。」 言いたいことはわかる。警察沙汰にはなりたくないのだろう。 弥生だって警察はごめんだと思っていた。 「大丈夫です。自分でなんとかしますから。それに、いざというときはた…稲生先生が助けてくれるでしょうし。」 そう言うと、学年主任の眉毛がピクリと上がる。 「あの若造に何ができるんだか。」 何か刺のある言い方だ。稲生は昔から年上に嫌われるタイプなのだ。 とくにこういう頭の固い、古い考えの人に。
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