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その日、長倉弥生(ながくらやよい)は珍しく緊張していた。
今日から高校一年生。今は入学式の真っ最中。
周りは大半がうとうとしている。
いつもならその仲間入りのはずなのに、眠気なんて一ミリも感じていなかった。
校長のせいもある。
弥生がこの世で最も尊敬する人に、雰囲気が似ているのだ。
年をとっても損なわないかっこよさがあり、話し方や内容も良い。
『では続きまして、新入生代表、高畑励志(たかはたれいし)君。』
名前を呼ばれ、はいっ!という声が響く。
その瞬間ざわめきが起きた。
うとうとしていた者達も、何事かとキョロキョロする。
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