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「さて、こいつをなんとかしなくちゃな。」
キョウはグリーンウィスプに対峙するとその距離を徐々に詰めていく。
「キョウ!そいつ剣で倒せるの?」
「どう見ても物理攻撃は効かないだろうな…」
「そ、そんなに近づいてどうするのよ!危ないって!」
「仕方ないから『禁じ手』を使う」
そういうとキョウは剣を鞘にしまった。
…禁じ手??
それからのキョウの動きは文字通り…
目にも止まらなかった!
「ディストーション!」
キョウがそう叫ぶと、剣はいつの間にか鞘から抜かれている。
まるで映画のコマ送りを見たみたいに、剣が鞘にしまっている状態と、斬った後の動作しか見えなかった。
グリーンウィスプの体が奇妙に歪んでいる…
刹那、霧散した。
「う、うそ…何が起きたの??」
ノエルはただ驚愕し、呆然とその場に佇んだ。
…【歪曲斬】ディストーション
超高速の抜刀術。亜音速で繰り出されるその斬撃はその場の次元ごと切り裂く。
亜空間から生まれる衝撃に、物理的に切れないものはない。
「本来は2振りの刀で行う技だから、厳密には今やったのはニセモノ。」
…カタナ?なにそれ?
説明されても意味がわからない…
ノエルはキョウの子供の様な瞳を見つめながら静かに聞いた。
「あなた…一体何者??」
振り返ったキョウの顔はなんだか別人のように見えた。
「俺は…ただの『迷い人』さ。」
─See you Next phase─
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