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「昔、倭という国にいた頃があってな。そこで合気道って武術を習ってたんだ。」
アイキドウ?またわからない言葉か…
「その合気道は…相手の力を利用して戦うんだ。敵の力が強ければ強いほど効果がある。だからその剣でも倒せる。」
「…そんな魔術みたいな武術なんて本当にあるの??」
「本当は素手でやるんだけど俺は自己流でそれを剣技に応用している。
まあ百聞は一見に如かずってね。今度みせてやるよ。」
キョウは前方を確認するとノエルにもう一度、話しかけた。
「…ほらもうすぐで試練の間だぞ?単位足りてるのか??」
ノエルはVサインを作って答えた。
「伊達に講義ばっか受けてないからね!」
最初はキョウの事を邪険にしてたノエルだが、ピンチを救ってもらった事により徐々に信頼感が沸いて来た。
「さあ行こう!」
ノエルが元気よく声をかけた矢先だった。
「おい、おまえら」
不穏な声がした。
背中に冷や汗が流れる。
ノエルはゆっくりと振り返った。
「ろっ…ローグ!!」
自身の丈ほどもある巨大な斧を持った巨漢の男が、ノエル達の行く手を阻んでいた。
ノエルは震える声で尋ねた。
「…な、何してるんですか?こんな所で…」
「待ちくたびれたぜ…おい小僧!ここなら邪魔は入らない…あんだけ大口叩いたんだ。覚悟は出来てるんだろうなあ?」
ローグはキョウを見据えると両手に持っている斧を構えた。
「あの斧は…フローヴァー!?」
いくら腕が立つといっても…この戦力差。
どう考えても勝ち目がない!!
するとキョウは不敵な笑みを浮かべた。
「くっくっく…まさかそっちからやって来るとはな!」
そう言うと鞘からノービスソードを抜いた。
「行くぞ…」
ローグは囁くと一気に駆ける!
は、速い!!
「だめ!だってその武器はただの銅…」
ノエルが言い終わらない内にキョウの体が吹っ飛んだ。
……折れた剣が空中で弧を描きながら。
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