End of Scene

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カチと小気味よい音がしてキョウの刀が納刀される。 …抜刀の構え。 刀を鞘に滑らす事によって通常よりも速い斬撃を繰り出すことが出来る。 また相手に間合いを測らせないという長所とともに数多くのデメリットを生む構え。 キョウは間違いなくマスタークラスの使い手だ。 先に動いたのはキョウ。 素早い踏み込みとともに繰り出す神速のストライプソード! 剣先は目にも止まらぬ速さでローグの喉元へ向かって吸い込まれる。 が、ローグは間一髪でそれを防ぐ。 その反動でキョウが態勢を崩した。 その隙にローグが放つ技は…… 「ダインバスター!!」 巨大な斧から生まれる衝撃は受けとめたらひとたまりもない。 ましてやあの細身の刀じゃ… ガンっという嫌な衝撃音が辺りに響いた。 キョウはローグの体から2~3歩退くと、刀身を鞘にしまった。 そして苦悶の声を上げたのは…ローグだった。 「ぐはあっ!貴様…蹴りだと!舐めた真似を!」 困惑するノエルだったが一つの結論が導かれた。 「もしかして…合気道?」 「まあ…あれが合気道って言ったら師範に怒られちまうが。 奴の馬鹿力を利用してそのまま蹴りで返してやった。」 すごい…ノエルに取っては次元の違う戦いだった。 「オッサン。一つ教えてやる。人同士の戦いは頭使わなきゃ勝てねぇよ。」 今度こそローグは認めざるを得られなかった。 …キョウが強いことを。 「貴様…一体何者だ?」 キョウは伏し目がちに応える。 「サウザントスローター…。」 「は?そこにいる女は関係ないだろう?」 「違う。『青い血のエデン』にてのSランクハンター、通称千人殺し… …そうサウザントスローターってのは俺の名だ!」 ノエルはもはやキョウが別世界から来た人間だと確信していた。 そしてそこで呼ばれたサウザントスローター…どういう意味で受けとっても良くは聞こえなかった。
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