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ノエルは悩んでいた。
サウザントスローター
(私につけられたもう一つの名前…私といると危ないってみんな思ってる…)
「だから誰もパーティーに入れてくれなかったんだね…」
思っていた事がいつの間にか言葉になっていた。
「…よし!」
ここでうじうじ悩んでてもしかたない!
一人で行こう!!
ノエルは心に決めると訓練施設の受付へ向かった。
「こんにちは。今日はどのレベルに行きますか?」
受付嬢がにっこり微笑む。
「あの…レベル3に…」
ノエル恐る恐る申告する。
「かしこまりました。はい。帰還の護符です。気をつけていってらっしゃいませ。」
ノエルはそれを受け取ると、ゆっくりレベル3の扉を開けた…
「う゛なにこれー!!」
開けた景色は辺り一面は墓地。
「ムリムリムリ!怖いよ~!ここ怖いよ~!!」
そんなノエルの心情を知らんぷりするかのように、骸骨が起き上がり近づいてきた。
「いやああああ!!」
「何叫んでんだよ」
声が聞こえた。ノエルが振り返ると、つい先日知り合った顔があった。
「き、キョウ!!何でここにいるのよ!!」
「お前の後くっついてきた。」
「あんた一年生じゃなかったの??」
「受付に見つからないようについて来たんだぜ!すごいだろ!!」
ああ…馬鹿だこいつ。
「それより…あいつ倒さなくていいのかよ?」
ノエルが元の方向に向き直ると骸骨がすぐそこまで迫っていた。
「いやあああああ!」
再びノエルの悲鳴が辺りにこだました。
「落ち着けって!そんな奴楽勝だろ?」
ノエルは握っていた鎚を思い切り振り回した。
鎚は骸骨の頭にヒットし…見事に頭蓋骨が粉砕する。
キョウが目を丸くする。
「ばっ…馬鹿力…普通一発でこうはならないぞ…」
「なんだ…結構弱いのね。ビビって損しちゃった。」
「サウザントスローター…恐ろしい…」
キョウは息を潜めて、静かに呟いた。
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