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「なんで最近、俺のこと避けんの?」
帰宅中、突然言われたその言葉。
"それは、君が好きだから"
言えるはずもなくて、何も言わずに歩いていくと肩を掴まれた。
「なぁ、なんか怒ってる?」
「怒ってない。」
これ以上何か話したら口が滑ってしまいそうで怖かった。
"ごめんね"
「怒ってないんなら、なんで避けんの?」
「…。」
黙ってる俺に納得いかないような顔で一緒に歩く君。
気に食わないんなら、嫌いになっても良いんだよ?
そうすれば、諦めもつくと思うから…。
ずっと沈黙が続いて気まずい中、自分の家についた。
「じゃあね。」
顔を見ないでドアを開けようとしたら、腕を掴まれた。
驚いて掴まれた方を見ると、君は俯いていた。
「待てよ。」
「…?」
本当は早く家の中に入ってしまいたかった。
君が掴んでいる所から、バクバクいってる心臓の音が伝わりそうで怖かった。
「今から俺の家、来い。」
「えっ?」
俺が声を出すのとほぼ同時に、君は俺の腕を引っ張っていた。
流されてしまい、俺は君の家に入ってしまった。
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