満月の夜

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「おはよっ大地」 「おーおはよぅ空」 学校に着いて、空は明るく挨拶をする。長くてさらさらの髪がよく似合う女の子。黒髪に少し薄い茶色が混ざった頭髪だ。 するといつも優しい笑みを浮かべて返事を返してくれる、真面目でかっこいい大地。 空よりも濃い茶色で、黒が混ざっている髪。中学の頃よくモテたらしい。 「今日学校終わったらどこか行きたいなぁ……なんちゃって」 靴箱の中から靴を取り出しながら、冗談のつもりで小声で呟いてみる空。大地はそれを聞いてにこっと笑う。 「空はいつもいきなりだね」 空は笑いながらごめんと謝った。靴を履いて先を行こうとしたとき、 「いいよ。どこに行きたいか帰りまでに決めといて」 そうして手を振り図書室へ走って行った。大地は図書委員で、今日は朝当番があった。
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