he side

2/2
14人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
蝉の声が頭に響く   そうだ、順番に思い出していこう 昨日何があったか。     昨日―… 彼女がバイトから帰ってきて… そうだ、花をもらった。 小さい向日葵だった。 僕は花が好きじゃない。 形あるものは壊れてしまうから 花もそのうち枯れてしまう。 そんな事を言ったらきっと彼女は悲しむだろうから 僕は笑顔を作った。 「ありがとう」   彼女も笑った。   それから一緒にご飯を食べた。 正直食欲なんて無かった。 最近おかしいんだ 情緒が不安定で 何かが頭の中でウズウズしている様な   少し早いが夏バテだろうと思う事にしていた。 今でこんなに暑いんだから、今年の夏は暑そうだ…   あまり食べたくはなかったが彼女がせっかく作ってくれたから食べない訳にはいかないだろう。 「おいしいよ」     彼女の他愛も無い話を笑顔で聞いてやる。   もう疲れたよ   仮面を被るのは   作り笑顔に気付いてくれ
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!