恋人

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『薫が会いに来るの、久しぶりやもんな』 「うん!来てもらうばっかやったもんね」 ここ最近、和稀が気を遣って会いに来てくれていた。 “俺は門限とか無いからな。その分、ゆっくり出来るやろ?” 優しい和稀の思いやりに甘えていたのだが… さすがに来てもらうばかりだと悪いから、今日は私が会いに来たのだ。 「やっぱりこの海は良いね~♪めっちゃ癒される」 『やろ?俺の大好きな海やからな』 和稀がふふ~んと軽く威張りながら言った。 私は可笑しそうに笑いながら和稀を見つめる。 「あたし、和稀に会って無かったら…こんな綺麗な海知らんかったわ」 『あはは。それは言い過ぎやろ』 和稀の所に私が来る時は決まって、この海だ。 この海の存在を知れたのは、和稀と出会えたおかげだ。 和稀と出会っていなければ、私はこんな綺麗な海を知る事など無かった。 大袈裟なんかやなくて、あたしは本間にそう思ってたんやで? 和稀のおかげで、あたしは素敵な物を知る事が出来てん。 ありがとうな。
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