prologue

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ーーーーーーーーーーーーーー あの日は何故か眠れなかった。 あの電話で寝るタイミングを邪魔されたのか、それともあの話をどこかで信じていたからかも知れない。 正直、新手の詐欺と思っていたので、俺が両親が死んだ話を信じたのは次の日になって警察が家に来たからだった。 だけれども、時間が経っていたからだろうか?俺は両親の死を理解している、理解しているが不思議と涙も出ず、悲しみすら感じなかった。 どうしても家に帰って来そうな感じしかしてない。 だが困ったことがあった。 今年、中学生3年生になる妹の早苗(サナ)に両親の死を説明するのに何時間かかったことか…… あの日の夜遅くから両親のことをしつこく聞いていた。 早苗は何か両親のことを察していたのかも知れない。 だから警察と応接するときには早苗には席をはずしてもらった。 詳しい話は俺が…俺だけが聞けばいい話だ。 なので詳しい話は 明日俺が警察の方へ出かけて聞くことにした。 警察に家を出てってもらったあと蒔に説明した。 早苗は両親の死をなかなか認めず何故か何回か叩かれた。そして泣き叫んでしまって、俺には理解出来なかった。 …いや、理解しているが したくなかった。 やっぱり早苗には厳しい話だ。
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