prologue

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何時の間にか葬式の準備がしてあって、流れるようにその日のうちにお通夜、そして次の日告別式、と気がついたらすでに終わっていた。 両親の顔は見れなかった。 俺は紙を渡されて読んでいたのだが、ありきたりな文章を機械的に読んでいたので、内容は全く覚えていない。 両親の親しい人なのか親戚なのかわからない人たちだけが参加するの葬式だったため、大勢の人が来るわけでもなく、普通より少し寂しい葬式だった そういえば葬式中けっこう泣いてる人いたな… 俺だけかな?泣いてなかったの 周りからみたらどうだったのだろう? 血も涙もない人間に見えたかな? 確かに両親は今も共働きで俺が小さい頃はおばあちゃんに育てもらった所謂おばあちゃん子だけど… 血の繋がった親には違いはない そんなことはわかっている そうじゃないんだ。 ただ… ただ… 俺はいまだにこれが現実なのか夢なのかわからないんだ。 今の俺は… まるで…操り人形のようなんだ
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