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起きるたびに感じる体のだるさが私を襲う
それが毎朝だからなお起きたくない。
再び眠りにつこうと寝返りをうった時隣に居る人物にぶつかった。
――あぁ、居たの。
隣に居る人物は規則正しい寝息をたて気持ち良さそうに寝ている
このやろう、私がだるいのに幸せそうにしやがって。
胃のあたりからイライラと嫌な感情が沸き上がりとうとう己の体を起こす
ベッドから隣の人物を起こさぬようにそっと抜け出す――はずだった
「――わ…っ」
体が後ろへ引っ張られぐらっと体が倒れる
後ろから私を抱きとめる人物は
「おはようございます」
同居人。
私の肩から覗く顔を見る
「何ですか?」
同居人はにっこりと笑顔で返しまるで私を挑発しているかのようだ。
何かむかつく。
「あのさ、離してくんない?」
背後からがっちり抱きしめられた体を無理やり動かすと、私の体を縛るその腕は私の動きを止めるようにさらにきつく抱きしめる
「嫌です」
またもやにっこりスマイル
一体私をどうしたいんだ
じっと同居人の顔を睨む
同居人もまた、私の顔をじっと見る
何だ、コイツは
「さ、寝ましょう」
同居人は私の体ごとベッドに横たわり
近づいている私の顔を覗きこみ自分の額と私の額を合わせ目を瞑り
「おやすみなさい」
そう言い残し一人眠りへ落ちていく
同居人の腕は私の腰と頭にがっちり固定されていて私は身動きがとれずにいる
同居人の近づいた顔を見る
呼吸がこちらにも伝わってきて心の中の何かが疼き出す
女の私でも綺麗と思わせる顔
単純な顔つきなのに何故か目を引くその顔は世間で言う『かっこいい』という事なのか?
とにかく……変な奴。
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