第一話『当たり前の日常』

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第一話『当たり前の日常』

今日は1月2日…俺の誕生日だ。 新年が明けて早々に誕生日…世間一般で言う“立派な大人”になる年、20才になった訳だ。 外にはうっすらと雪が積もり、道の先まで続く足跡を街灯がひっそりと照らしていた…。 「今日は冷えるなぁ…」 言った所でどうにもならない事をついつい言ってしまう…昔からの俺の悪い癖だ。 白い吐息を吐き、そんなどうしようもない事を考えつつも、バイト先の居酒屋“へべれけ”での仕事を終わらせ、家への帰り道をぶらりぶらりと歩いていた。 いつの間にか雪も静まり、家へもあと少しという所まで来ていた。 家の窓には明かりが灯っている 「まだ起きてるのかよ…」 俺は白い溜め息をついた。 なぜなら居酒屋のバイト時間は夜8時~朝方2時まであり、着替えて家に帰ると2時半くらいになるからである。
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