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―っーか食事に誘えば?…―
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『つーか、食事でも誘えばいいだろ?』
俺の横で友人、高野が言った。
『それができたら苦労しません。コンパでお忙しいであろう高野様に相談なんてしません。』
『そんな睨むなよ……。はぁ~、で、俺はいまいち解んないんだけど。』
『何が?』
『お前が気になるって言う女。何かミステリ~、じゃねぇーか?正午0時~午後1時の間、同じ場所で、雨が降ろうが風が吹こうが、必ず居るんだろ?しかも必ず傘持って、おまけにその傘は男物ときている。』
何かを探るような顔つきで、高野は俺を見た。
『それは俺も気になってたんだよな……。お前は何故だと思う!?』
ふと、彼女の傘を思い描いた。
やっぱりおかしい。
どう考えても、彼女には不釣り合いな大きい、blackの傘しか思い出せなかった。
『俺に聞くなよ。』
『だよな……‥。』
その夜は結局、高野の自慢話を聞き、コンパの誘いを断った後、生意気だと説教されたあげく、酔いつぶれた、友人…だと思いたい、高野を自宅まで送って帰還した。
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