*序章*

3/4
前へ
/16ページ
次へ
車を走らすこと、約10分。 着いた先は一件の喫茶店。 阿部は喫茶店でタピオカ入りのカフェオレをtake outで頼むと、店の前の小さな公園へ向かった。 正午0時15分。 既にベンチには彼女が腰掛けていた。 『こんにちは。』 駆け寄る俺を見て、彼女は挨拶をした。 『…こんにちは。』 遅れながら、俺も彼女に挨拶をした。 彼女は『どうぞ。』とだけ言うと、木彫りのベンチの端に身を移しす。 そして又、持っていた本に目を向けた。 彼女の名前は、本多 香苗(ホンダ カナエ)。職業は雑貨屋の店員。趣味は読書…だと思う。現在のマイブームは…‥不明。 俺は空いたスペースに身を委ねると、先ほど買ったバーガーとタピオカ入りのカフェオレで昼食をとった。 『今日も天気がいいですね。』 俺の投げた球は、軽く彼女の笑顔を誘う。 『はい。』 『明日も晴れるといいですね。』 『そうですね。』 『…あの、新作なんですよ!この飲み物!』 『そうなんですか。』 『…‥……。』 こんな感じで俺の渾身の投球は、全て彼女の巧みなplayでかわされる。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加