電脳世界

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こんな世界は嫌いだった。 だって皆嘘つきだし…キモイとかうざいとか聞き飽きたんだけど。 何で中学生なのに、皆男ばっかり見てるの?もっと毎日楽しもうよ。 そう思いながらも、カップルが羨ましかった。 小学生の時に何度か告白して振られた。 「だっておまえ、男みたいだし。」 見た目じゃない。 性格のさばさばした部分がそうなのだろう。 クラスの大人しい女子が羨ましかった。 中学校に上って、心機一転、イメチェンを目指した。 可愛い子になりたくて、地味でおとなしめの子を演じた。 その結果、待っていたのは虐め。 結局男は、ルックスの良い子が好きなだけじゃないか。 絶望の果てに、私が引き寄せられたのは漫画だった。 漫画のキャラたちは差別をしない。地味で不細工でも、優しく見守ってくれる。 同じ漫画好きの友達と、好きなキャラについて話し合い、それなりに楽しい日々を過ごした。 そして高校へ。 高校は上の中くらいだった。 かなり無理をした。 親に良いとこ見せたくて、褒めてもらいたくて。 結果、女子高。 虐められる事はなくなったものの、平凡な日々が過ぎる。 時たま聞く、恋話を、どこか遠くに見つめていた。
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