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君の背中に耳を押し当てると、心臓の音が聞こえてきた。
トクン、トクンと、なんて心地いいんだろう。
僕は、背を向けている君を、自分のほうに向かせた。
静かで穏やかな寝息とは裏腹に、その目は涙で濡れていた。
君の涙を手で拭う。
一体今まで何人の男達が君に惹かれていったんだろう。
どうして君は、こんな僕を選んでくれたの…?
今だって、こうやって君を傷つけさせているのに…。
「……ん…」
君が目を開ける。
僕は反射的に手をどけた。
君は起き上がると、少し怪訝そうに僕を睨む。
まだ、怒ってるんだ。
やめて、君に恨まれると、苦しいから…。
「…ゴメン…」
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