~二人だけの月面~

10/23
前へ
/23ページ
次へ
「じゃあ最後に、とっておきの物を見せてやる」   シェイドはそんなレイセンにも愛想を尽かさず、笑った。   「とっておきの物?」   「あぁ、あれを見たらちっぽけな物なんかまるで気にならなくなる」   何だか良く分からないけど、レイセンはそれを聞くと期待感で胸が満たされた。   「だがここからじゃちょっと遠いんだよな…。 よし」   シェイドは一人で意気込むと一枚のスペルカードを取り出した。   「式神『レイル』!」   そうシェイドが言った途端   「…呼んだかシェイド」   上空から一匹の馬が降りてきた。   ---いや馬じゃない!   レイセンはその生物を見て目を疑う。   「ゆっ……… ユニコーン…!?」   「そう。一角獣。 俺の式神だ」   その生物は綺麗な銀色の毛色をしていて、額からは長く、勇ましい角を生やしていたのだ。   「…シェイド。 そのアホ面な兎は何だ?」   ユニコーンはレイセンの方わ向き、シェイドに尋ねる。   「しゃっ………喋った」   「こいつはレイセン。 今日知り合った馬鹿兎だ。」
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

81人が本棚に入れています
本棚に追加