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「レイセンか…。」
シェイドは呟きながらレイセンの頭から手を離した。
「問おう。
一体何故泣いていたんだ?」
「それは…」
レイセンは今さっき宮殿であった事を思い出す。
それによって、また嫌な事を思い出しさっきの泣き叫びはしないが目から大粒の涙を流し、泣きはじめてしまった。
「ちょっ、またかよ!
全く、こんな事してたら日が暮れるぞ…」
シェイドは溜息をつき、この兎を泣き止ませるにはどれが最適か頭を捻る。
「…レイセン。
腹は減ってるか?」
シェイドは何を言い出すのか、レイセンにそんな事を聞いた。
「ひぐっ……うっ……
う…ん」
レイセンは嗚咽しながらシェイドにそう返答する。
「そうか…なら」
シェイドは優しくレイセンの手を掴み、引っ張った。
「腹を満たせば元気も出るだろう」
* * *
---月の都内のどこかにある食事処
「適当に子供が食べる物とミルク。
俺は水で良い」
「かしこまりました」
シェイドの注文に定員は一礼し、店の奥へと消えて行く。
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