~二人だけの月面~

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シェイドはレイセンに苦笑いしながら続きを促した。   「話を戻そう。 豊姫がどうかしたのか?」   それを聞いた途端、レイセンはまた顔を下へ向ける。   そしてそのままの姿勢で話しはじめた。   「実は…豊姫様が大切にしていた壺を割っちゃって…豊姫様凄く怒ってたの」   「ほぅ」   「それで私、豊姫様に嫌われて、もう必要とされてないんじゃないかと思って…」   レイセンは再び嗚咽を漏らし始める。   「豊姫様とはずっと昔からいたけど… こんな兎、もういらないよね…」   涙声になりながら言うレイセンにシェイドは…   「…ぷっ。 あははははははははははは!」   大声を上げ、腹を抱えて笑った。   「…何で笑うの桔梗」   レイセンはそんなシェイドを睨み付ける。   「いや、やっぱり兎は馬鹿だなぁと思ってさ。 その頭に本当に脳みそ詰まってるのか?」   「私馬鹿じゃないもん…」   レイセンは涙目のまま頬を膨らませる。   「いや、馬鹿だね。 真性の馬鹿」   シェイドの厳しい言葉がレイセンの胸に突き刺さる。
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