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涙目になるレイセンにシェイドは告げた。
「だってずっと昔から一緒だったんだろ?
そんな奴を嫌うと思うか?そんな簡単な事で。」
「でも…」
「その壺を割ったのはどうせお前の不注意か何かだったんだろう?
ならその怒りは、お前に対する注意、お前への愛の表れだよ。
そんな愛にも気付かないようじゃ馬鹿としか言いようがないな」
「………」
レイセンはシェイドの言葉を頭の中で思い返す。
私への…愛。
果たしてそうなのであろうか?
「まっ、ガキには理解なんて仕様のないかな。
とにかく、その怒りは嫌われの表れではないと言う事だけ覚えておけ」
だけど…とシェイドは頬杖をつく。
「お前が家出までするんじゃよっぽど凄い怒り方だったんだろうな…。
今度あいつに言っておくか」
シェイドはレイセンの手元をちらっと見る。
「まだ残っているじゃないか。早く食えよ」
レイセンはそれに気付き慌てて食事を食べる。
あまり残っていなかったのですぐ食べ終わったがレイセンの心は晴れないままだった。
「まだ機嫌治らないのか。全く」
シェイドはレイセンに呆れ、席を立った。
「ならちょっと気分転換でもするか?
付き合ってやるよ」
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