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私はお母さんもお父さんも死んじゃって、身寄りが無かったから悲しませる人は少ないと思う。
でも、ユラが泣いてくれた。
おんなじ顔をした、ちょっと髪の色が違うだけの双子の妹。
「サラがなるなら、私も生贄になるから!」
泣き疲れて眠ってしまうまで私の手を離さなかった。
ありがとう。
ごめんね。
ユラ。
おねえちゃんは、
ユラが大好きだよ。
私はユラの手にお母さんの形見の懐中時計を握らせて、
信託の場所へ向かった。
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