プレゼントその1

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「うぅ…では、失礼します……。」 先日の外出が祟り、軽く風邪を引いた私は、学校を早退した…。 調子が悪い日は、いつも以上に心の声が聞こえてしまい、頭が痛む。 頭痛持ちと言っているがそのためなのだ………。 「…クレープ食べなきゃよかったかなぁ………。」 あの後、朝倉君と別れてからクレープを食べた。余計に冷えてしまったに違いない…。 靴を履き変え、帰ろうとすると、不意に誰かに呼び止められた。 <お…ことり…。どうしたんだ?早退か?サボりか?> 朝倉君だった。 見つかっちゃったなぁ…。 「少し気分が悪くて…頭も痛いし、早退させてもらうんです。」 <そっか…。(俺のせいなのかな……?あんなに長く引き留めたから………。)> うぅ…。 朝倉君の優しさが痛い……。 「違いますよ。」 <へ?> あ…。「いえいえ、こっちの話です。」 危ない危ない…。 <そっか、それじゃ早く帰って休みなよ。引き留めて悪かった…。> そう言うと、彼は教室へ戻っていった。
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