適当探偵

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・・・・・・・・・なんでだろう? 僕ははっきりと拒否したはずなのに、なぜかこの神野事務所でせっせと働いている。 しかも先生の考えた案は見事なまでに依頼者を連れてきた。 「なるほど、それで奥さんの身辺調査をしてほしいと」 「はい、最近どう考えてもおかしな行動が目に付くんですよ」 「わかります。私も昔女房に浮気されましてね、あの悔しさと言うかやるせなさと言うかは、忘れられませんよ」 結婚した事もないくせによく言うよなぁ。 「もし本当に奥さんが浮気してらっしゃって、そのことを私どもが突き止めた場合は、知り合いの弁護士を紹介しましょう」 「ありがとうございます」 「いえいえ、任せて下さい」 「・・・・・・・・・・・・あの、それとちょっと言いづらいのですが・・・・・・・・・」 「どうしました?」 申し訳なさそうな依頼者の石原さんに、先生は満面の営業スマイルを向ける。 「こういうところって、やっぱり代金は高いんですよね?いくらくらいですか?」
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