適当探偵

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「なるほど、少々お待ちください。羽戸村君、電卓もらえないかな」 「はい」 僕は棚から書類と電卓を取って先生の前に置いた。 「ありがとう」 それにしてもこの人、羽戸村って呼べるんじゃないか。 「だいたいこのくらいですね。多少の誤差はあるかもしれませんが」 「えっ?」 石原さんが驚くのも無理はない。 このダメ人間な先生は、料金設定が異常に低いのだ。 「こんなに安いんですか?」 「えぇ、私も浮気を許せない性質でしてね、これは人助けのようなものなんです。だから低料金で調査をさせてもらっています」 「ありがとうございます」 先生曰く、安いとクチコミというおまけがついてくるからこの方が得なのだそうだ。 「では明日からとりかかります。1ヶ月ほどしたらまた連絡しますので」 「よろしくお願いします」
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