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シェラトンの中央に位置する全長約100メルトの建造物。『犯罪は許さない!見てしまったら公安局へ』と言うなんか押し付けがましい感じの文章が縦長の紙に書いてある。『ついでに今月は犯罪防止強化月間』とも書かれていた。おいおい、コレまるきり主旨違うだろう!とツッコみたくなる紙を無視すると、立派な石碑に『公安局シェラトン本部』と彫られていた。
そう、ここは犯罪者だけでなく一般人さえビビらせる奴らがいるイカれた者通しの集まりーーー公安局【the public peace】なのだ。
「君たちは何で私に呼ばれたかわかるかい?アオイ・ライファルト・シキにレイナス・リンヴォーク」
公安局機動隊 特殊一課。
今年の夏で35になるステロス・マクバーンはボロボロになって帰ってきた年若い部下二人を朝っぱらから叱っていた。
「さっぱりわかりません」
声を揃えて答える二人にステロスはもう一つ大きくため息をついた。
「いつもは仲が悪いのにこういう時だけ息ぴったりだね、君ら」
少しのイヤミを交えてステロスは苦笑する。
「単独行動に器物破損…君ら普通は減給ものだよ?」
「減給!?冗談じゃない」
アオイは叫ぶ。さらに追い打ちをかけるようにステロスは言った。
「それになんで君達そんなボロボロなの?…僕が想像するに君らまた派手にケンカしたでしょ」
「それはこのアオイの馬鹿がちんたらしてるから…」
「それを言うならてめぇだってホシに隙見せただろ!?」
「なんだと?」
「やんのかコラ」
早速二人の世界に入りケンカをおっ始めようとするアオイとレイナスにステロスはトドメの一言を呟いた。
「減給」
二人の動きがピタッと止まる。
「君らよっぽど減給にしてほしいみたいだね?減給半年って考えてたけど一年にしてあげようか」
その微笑みはまさに絶対零度。
これはマズいと思った問題児二人組はステロスに土下座した。
「黙ります…すいませんでした」
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